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ドナーフェレシスとは?

 血漿分離を意味するアフェレシスには血漿分離の方法として遠心分離法と膜分離法があります。この他、アフェレシスはその目的により臨床的には病因物質を除去し治療のために行う治療的アフェレシス(Therapeutic Apheresis)と、健常人からの血液成分の採取を目的としたドナーフェレシス(Donation Apheresis)に区別されます。従来はドナーフェレシスといえば、献血における血漿や血小板などの成分採血を意味していました。しかし、最近は造血幹細胞移植治療における自己及び同種(ドナー)からの幹細胞採取にもドナーフェレシスの技術が導入され、このうち同種末梢血幹細胞採取はドナーフェレシスと定義されますが、治療に深く関わっているため、治療的アフェレシスとの境界は曖昧になりつつあります。
 ここでは、ドナーフェレシスとして、成分献血(採血)と同種末梢血幹細胞採取について解説します。

成分献血(採血)

 成分献血(採血)は血小板成分採取(platelet concentrate, PC)と血漿成分採取(platelet poor plasma, PPP)に分けられます。どちらも基本的には遠心分離法で行なわれます。血小板採取からは血小板製剤が、血漿成分採取からは新鮮凍結血漿と血漿分画製剤が製造されます。血小板成分採取では、血小板製剤に併せて血漿が同時に採取可能な機種、プロトコールがあります。血小板成分採血は1サイクルあたりの採血漿量と体外循環回路中の血液量の合計が、循環血液量の15%以下で、血漿成分採取での採血漿量は、循環血液量の12%以内でかつ600ml以下とされていて、また、それぞれの採血で年間採血回数、採血間隔なども定められています。日本赤十字血液センターでの成分献血者は1986年の1.8万人から2002年には100倍である183万人まで増加し、2004年も171万人で、このうち血小板成分採取が78万人、血漿成分採取が93万人でした(図2)。

図2 各献血者数および献血量の推移
献血量には血小板成分献血において併せて採血された血漿量は含まれない。

 図2 各献血者数および献血量の推移

新版「アフェレシスマニュアル」秀潤社、p131 図1より引用

 最近は癌化学療法の進歩などにより補充療法としての血小板製剤である濃厚血小板の使用の機会が大きく増えてきています。血小板輸血に際しては感染症、同種免疫などの副作用軽減のため、単一ドナー由来の血小板製剤の使用が望まれ、そのためには効率的に高単位の血小板製剤が採取されなければなりません。また、血漿採取についても、アルブミン、グロブリンなどの血漿分画製剤の国内需給達成のためにも効率的に実施されなければなりません。一方、これら成分献血によって得られた血液製剤を使用する医療機関にも、2003年7月より施行された血液法で血液製剤の適正使用が厳しく求められています。

同種末梢血幹細胞採取(移植)

 通常、末梢血中には造血細胞はわずかしかありません。そこで造血因子である顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を健常人(ドナー)へ注射することで、骨髄より末梢血へ多量の造血幹細胞が循環してきます。これを効率よく採取するのが、末梢血幹細胞採取で、白血球の型が合った白血病等の患者に移植し造血能を正常化させるのが同種末梢血幹細胞移植といいます。
 ドナーにG-CSFの投与開始から4~5日目の造血幹細胞が増えているあいだに、ドナーの静脈より血液分離装置を用いて血液を体外循環させ、1回150~200ml/kg(体重)の処理により末梢血幹細胞を選択的に採取します。患者の治療に必要な量を確保するためこの採取を2回(2日間)以上行なうこともあります。ドナーとしての利点は、骨髄移植と違い全身麻酔が不要であることですが、欠点としては、G-CSFの投与のために5~6日間拘束される点と1回の血液分離に要する時間が数時間と長いことです。また、ドナーは健常人ですから、末梢血採取の際のリスクは最小にしなければなりません。アフェレシスに伴う副作用は成分献血(採取)も同様ですが、血管迷走神経反応、穿刺による皮下出血、クエン酸中毒、神経損傷などがあります。これら副作用発生時の早期の対応、重症化の防止のためにも医療機関はそれらに対応できるドナーの安全対策を講じる必要があり、採血担当者は、採血時副作用につき充分理解し、をそれらの応急処置法に熟知していなければなりません。

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